近頃、パルスロケットエンジンを自作して自転車に積んでみたりだとか、強力な電磁石を内蔵した靴で天井を歩いてみたりする動画がYoutubeに上がっています。
そんな頭のネジが何本か外れたMakerたちの動画を見ていて、
俺はそういうものづくりをやってみたいんだ!
という思いが強くなりました。
そういう人たちは得てして人が乗ったりとか、乗らないにしても迫力のある大きなモノをつくっているわけなのですが、そういった大物を作るにあたっては溶接の工程が必ずといって動画の中に含まれていました。
そこで、頭のおかしいMakerを目指すべく、溶接にチャレンジしてみようと思ったわけです。
※純粋に興味もあったのでとりあえずやってみたかった、という面もあります。
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いろいろとググってみたところ、溶接機には家庭溶接機というジャンルがあるようで、一般の100Vコンセントと低電流溶接棒を使えば一般家庭でも溶接ができるようです。
家庭用溶接機のジャンルでは大きく分けて
交流アーク溶接機
+ とても安価
- アークスタート、維持が難しい
直流半自動溶接器
+ トリガーを引くだけで使えるので簡単
- 交流アーク溶接機と比べると少し高価
が広く普及しているようですが、100V電源で一般家庭用の15Aだと低電流用の細い溶接棒しか使えず、板厚3mm程度の溶接しかできないために、大きな構造物を作るには今ひとつ力不足感が否めませんでした。
そこで、もう一つのタイプの溶接機
バッテリー溶接機
+ 電源によらず大電流を出力できる
- 非常に高価
の入手を検討しました。
※もし万が一このページをご覧の方で、ご家庭での溶接に興味のある方がいらっしゃいましたら、溶接人さんのページを参考にされると良いと思います
※大物を作る気がないのなら直流半自動溶接機が最適だと思います
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流石に30万円もするバッテリー溶接機をホイホイ購入するわけにはいかないので、ヤフオクを巡回して手頃な出品を漁っていました。ヤフオクでは様々なタイプの溶接機が出回っているようで、家庭用低電流のものからエンジン溶接機まで一通り出品されています。
一般的な溶接機でしたら、購入にあたっては
- 見た目の綺麗さ
- 動作品かどうか
あたりを気にすれば大丈夫だと思うのですが、
バッテリー溶接機の落札ではさらに、
- バッテリーが生きているかどうか
についても気にかける必要があります。溶接機に内蔵されているバッテリーが意外と高価で、せっかく溶接機を安く落札出来てもバッテリー代が高くなってしまっては悲しいですからね。
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で、つい手が滑って落札しちゃいました。
※送料込みで2万2,000円でした、多分破格だと思います
マイトアーク社の少し古いモデルで、一般的な自動車用12Vバッテリーサイズ(55B24R)を3直列で使うタイプです。充電は100V15Aで、出力電流は150Aほど取れるようです。もちろん電源のない場所でも使うことができます。ただし、バッテリーを内蔵している関係で重量が90kgあるので、取り回しが少し大変です。
購入当初は汚れが酷く、電圧計も壊れていたのですが、
分解してケースのサビを取って内面をゴム塗料で塗装し、
※プラスティディップは正義
バッテリーケーブルを作りなおして、
※ホルダーを買った時の余りのキャブタイヤケーブルで作りました
回路部のホコリ(ヒューム?)を除去し、
電圧計の中身を汎用品から移植して、
※中に入っている抵抗器だけ元の電圧計のものを使うことで、元の目盛りに合わせて針が動くようになりました
不自由なく使える状態になりました。
バッテリーも生きていたようで、特に交換はしていません。
また、溶接を始めるにあたって、溶接機以外にも
- ホルダー、アースケーブル
- 溶接面
- スズキッド手棒溶接セット(エプロン、手袋など)
- 2.0mmの溶接棒
- 作業台兼アース用の鉄板
- スパッタシート
- 自作の衝立
を用意しました。
※通算は溶接機込で6万円ほどですかね… ホルダー、アースケーブルが予想以上に高かったです
残念ながら家には庭がないのでベランダで溶接作業をしたのですが、音や煙などはそれほど近所迷惑にならない印象でした。例えるなら、ちょっと花火をするぐらいの感じです。むしろケースのサビ取り時にディスクグラインダーを使った時のほうがよっぽど近所迷惑でしたね…
※ただ、強力な紫外線がでるので、それについては配慮が必要だと思います。
実際に溶接機を使って、キット付属の練習用端材を溶接してみました。
…これはひどい
初めてにしてももう少しなんとかならなかったのか。
溶接機のパワーは充分あるのですが、アークスタートも維持も安定せずまだまだ練習が必要ですね。これからも隙を見てチャレンジしていきたいです。
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今回初めて溶接にチャレンジしてみたのですが、鉄が溶けてくっつくのを間近で体験するのはとても新鮮で、ものづくりの幅が広がった気がしました。
まだまだDIYの中でも敷居が高く思える溶接ですが、実際やってみると意外と簡単にできちゃう感じです。この投稿が、これから日曜溶接DIYにチャレンジされる方の後押しになればと思います。
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